日本語のあれこれ日記【65】
[2024/10/5]
このシリーズで、すでに10の記事を書いてきました。
思いつくままに書いてきましたので、この辺で一旦整理しておこうと思います。
なお、下記では、いままで書いてきたことのほかに、現在考えていることも書いています。
(1)現代において、漢字学習の負担は小中学生にとって大きすぎる、と私は考えます
学科の増加(小学生の英語、生活など)、中学での各学科の難易度の上昇、
漢字学習の必要がない外国の生徒と比較したときの負担の大きさ
(2)漢字を使うことのメリットが、さほど大きくはないと思われます
漢字が字の形から意味を表しているので、一目でおおよその意味を理解するのが容易、とされてきましたが、同じようなレベルの文章を、たとえば、英語と日本語で、それそれを母国語とする人が読んだとき、理解のしやすさ(所要時間として)はさほど差がないと思います。
(3)いままでの日本の歴史で、漢字の廃止、または漢字の制限はいろいろと提案されてきましたが、漢字の廃止は社会に受け入れられませんでした。漢字制限は、戦後の当用漢字の制度化などにより、実現しました。一部、第二次世界大戦中の日本軍部でも漢字制限の試みがなされました。
(4)漢字に対して、いろいろな意見があります。
(4-1)漢字制限を緩くする、または制限しない
読みにくい文字にはルビをふればよい、という考え方があリます。
(これに対しては、ふつうに書いた文字を読むのが難しいから読み仮名をつけるというのは、言葉としておかしい、という反論をきいたことがあリます。
(4-2)漢字を簡略化して、読み書きの負担を減らす
日本では、当用漢字制定のときに、漢字の字体の簡略化がなされました(醫→医、圓→円 など)。ただし、その後に制定された常用漢字で追加された漢字は、字体が旧字体のままであり、混乱が起きています。
(参考:中国では、より大胆な簡略化がなされました(電→电、機→机 など))
(4-3)漢字をなくしたときの表記については、ひらがな表記、カタカナ表記、ローマ字表記などが提案されました。しかし、反対意見が圧倒的に多いです。その主な理由は、(a)漢字の造語力が利用できない、(b)同音異義語の区別ができない、という点にあります。
私としては、漢字の書体が美しい、ということもあると考えます。美しいので、それを失いたくない、という気持ちが出てくるのです。
(4-4)漢字を廃止することのメリットは、(a)上記した小中学生の漢字学習の負担軽減のほかに、(b)点字は"ひらがな"のみの世界であり、視覚障害者の不利な点をある程度解消できること、(c)日本に来る外国人にとって日本語学習の負担を軽減できる、ということがあげられています。
ただし、(b)と(c)は、それをもって日本語における漢字の位置づけを決めるとしたら本末転倒でしょう。
(5)かな表記の実用性はまったく可能性がないのか、ということを試したところ、多くの文章で、"さほどのさしつかえはない"という印象を持ちました。かな表記で困るものには、学問の先端の論文などがあります。たとえば医学論文です。
ただし、論文と同等の内容の口頭発表やそれに付随する質疑応答は漢字に依存しないので、検討の余地はあると思われます。
(6)かな書きの方法
(6-1)基本を"ひらがな"にしたとき、カタカナ表記するものとして、外国由来の固有名詞(現地で漢字を使わない場合)に加えて、漢語も含める方法もあります。ただし、漢語かどうかわかりにくい場合もあるし、湯桶読み、重箱読みの場合はどうするか決めかねるところもあります。名詞をカタカナでかく、という方法もあります。これはドイツ語では名詞は大文字ではじめる、ということからのアイディアです。
(6-2)基本をカタカナにする案もあります。私個人としては、基本は"ひらがな"の方ががよいと考えています。その理由は、ひらがなの方が字体の形が変化に富むので、わかりやすいと考えるからです。
(6-3)分かち書きの方法には、2種類があります。ここでは品詞分けと分節分けと表現します。
品詞分け・・・・品詞が変るところで切る方法で、ローマ字の書き方に近いものです。
例:「これ は えんぴつ です。」
分節分け・・・・分節の切れ目で切る方法です。
例:「これは えんぴつです。」
私は分節分けが良いと思っています。
(6-4)連続する言葉が強く結びついた言葉は、ハイフンでつないで、言葉のまとまりと切れ目を明示するのが良さそうです。ただし、複合語は個人的には決めかねています。
例:とうきょう-と、とね-がわ、しじん(詩人)、かんご-し(看護師)、だいどころ(台所)、うで-だめし(腕試し)、