私の夢十夜―追加


[2020/7/14]

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【34】私の夢十夜―追加

「私の夢十夜」に載せるのを洩らした夢

夏目漱石の「夢十夜」に刺激を受けて「私の夢十夜」を1年以上前に書きました。

最近ですが、ある夢を見て、「ああ、この夢は以前に何度も繰り返してみたことがある」というように思い出しました。

それと共に、「以前に何度も繰り返してみたことがある」というもう一つの夢のことを思い出しました。

二つともに、前回の「私の夢十夜」の記事では洩らしていたものです。

今回はその二つの夢について、ここに書き残して置くことにします。

1. ある人の家に行って帰れなくなったこと
2. 干潮の浜辺を歩いて行ったときに潮が満ちてきて帰れなくなったこと

第一夜 ある人の家に行って帰れなくなったこと

このような夢を見た。

ある人の自宅に何かの用事があり、クルマで訪問した。

広い宅地に塀を廻らした、邸宅というのにふさわしい家だった。

広い正門を抜けて、庭の一角にある駐車スペースにクルマを停め、玄関でチャイムを押して、やがて屋内に案内された。

この家の主人と思われる人が出てきて(なぜか和服姿だった)、用件を進めていった。

途中から、なぜか庭で音がする。庭を見ると、工事のクルマが入り、作業員が数名、なにやら正門で工事をしていた。

それがどうも正門を塞ぐ工事のように見えるのである。

驚いて、相手に「正門を塞ぐ工事のようですが、私はクルマをあそこの駐車場にとめているのですが」というと、相手は「正門を塞いで、裏門を大きくすることにしたのです。帰るときは裏門がひらいていますから、そちらから出てください」という。

それで、そのまま用件を続け、やがて終わると、相手は「それでは今日はこれまでにしましょう」といって、立ち上がって、家の奥に姿を消した。

私はクルマに戻り、裏門の方へとクルマを動かす。しかし、家と塀の間が狭まってきて、大人ひとりが通れる幅しかない。

「裏門は反対側か」と思い、バックで戻り、方向転換して、すでに塞がれた正門の前を通り過ぎてさらに進むと、こちらも家と塀の間が狭まってきて、進むことができない。

「あれ、どうなってるんだ」と思い、クルマをバックさせて玄関付近でクルマから出て、玄関のチャイムを押したが、反応がない。

しかたがなく、玄関から「済みません、○○さん」などと声をかけますが、返事がない。

夕方で、周囲は少しずつ暗くなってきた。家の中はひっそりとして、明かりがつく様子もない。

第二夜 干潮の浜辺を歩いて行ったときに潮が満ちてきて帰れなくなったこと

このような夢を見た。

私が生れて育った家は海岸の崖の上にある。

崖の上から浜辺を見ると、干潮の時には広い砂浜が現われて、数キロ先にある近くの漁港まで歩いて行けそうだった。

幼い子供にとって、ちょっとした冒険である。

ある時、ちょうど干潮だったので、いよいよ出かけることにした。

思った通りに砂浜がずっと先まで、結構幅広く続いている。潮風の中、気持ちよく歩いて、漁港についた。

潮が引いていて、港の隣の岩場で蟹をさがしたりしていたが、そろそろ帰る方が良さそうだ。

潮はようやく満ちだしたところで、まだまだ行ける、と思ったが、予想以上に潮の満ちるのが速く、波が寄せてきたときには足下にかかるほどになってしまった。

途中、砂が盛り上がっているところがあり、ちょっと一息ついて後ろを振り返ると、もう波が押し寄せていて、港に戻ることはできそうにない。その先は、というと、波が引いた時には進めるが、波が寄せてきたときには濡れてしまう。大きな波が来たときには頭から波をかぶるかも知れない、という位になっている。

すぐ近くに、小さな川が海に注いでいる。その川沿いに雑草が生い茂った小道があり、さかのぼっていくと、広い道路に出られる、と以前にだれかに聞いたことを思い出した。しかし、記憶はあやふやで、現在も小道が通じているのか分からない。

しかも、そこに行くにも、波が引いたタイミングで走って行って、やっとその小道にたどり着ける、という位に波が寄せてきているのだ。

崖を見上げると、3m位の高さにくぼみがあり、そこまでステップができていた。以前にふざけて、友人と一緒に作ったものだ。

さて、波が引いた時に急いで浜辺を走って、自宅直下の出発地点まで行くか、川沿いの小道に進むか、最悪の場合は崖に作ったくぼみで波が引くのを待つか。

どの選択肢も良いものではなく、途方に暮れていた。

二つの夢は

いずれも典型的な夢のパターンですね。

目的地に到達することができない、と言うものです。

この二つの夢は、イメージが変にリアルなんです。

最初の夢での相手が現れたときの和服姿で腕組みしている様子とか、広い庭の片隅に駐車場があり、そのそばに高い木が茂っている、とか、また二番目の夢での崖の上から見た浜辺から漁港までの様子、波が寄せてきて波しぶきがかかるとか、崖に作ってあるステップの砂岩のざらざらとした感触など。


今の時点で考えると、代表的な夢を10挙げるとすると、最初に挙げた10の夢から二つを取り除いて、今回の二つを追加するべきですね。ただし、どの二つを除くかについては判断が難しい。

とすると、以前に「与謝蕪村の句 トップ 10」の記事を書いたときのように、10プラスα(αは除くに忍びないいくつか、ここでは2)とするのが良さそうです。



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