創作ことわざ
[2020/11/28]-62日目
山歩きの話です。
目の前にかなり高い頂が見えます。
「あれが目的の山の山頂だ、あそこまで行けば後は楽な下りだ」、と思って、力を振り絞ってその頂を目指します。
いざ登り着いてみると、さらにむこうに、もっと高い山頂が見えてがっかりする、ということがあります。
もっとも、これは山歩きの最初の頃です。
次第に、計画を綿密に立てるようになり、ここからあの山頂まで何時間と見極めがつくようになります。
ガイドブックで標準の歩行時間が2.5時間とあると、自分の足では少し長めの3時間だろう、という予想がつくようになります。
そうはいっても、急に「あの山は歩いたら気持ちよさそうだ、予定にないけど行ってみよう」などと思うときには注意が必要で、予想外なことが起こります。
多くの場合、目的の山の山頂はその手前では見えないことが多いのです。遠くからの方が見えるのです。
歩き出すと、その手前の高みに目的の山が隠れるので見えないのです。
本当の目標は近付かないと見えないのです。
一つの高みに登って、次の頂が見えます。
手前の困難に手間取っていると、本当の問題が見えません。
目の前の問題に全力を使い果たしてしまうと、その次にどうしようもなくなってしまいます。
この問題の次に、まだ見えていない次の問題がある、と考えておくべきです。
最初の問題に取り組んでいるときに、次の問題が新しく発生することもあります。
最初はなかったとしても、新たに発生するのです。
最初の問題が解決したために、それまでは隠れていた問題が現れた、という場合もあるでしょう。
最初の問題の対策が次の問題を引き起こした、という場合もあるでしょう。
とにかく、いつも安心できることはないのです。
しかたがないですね。