創作ことわざ


[2020/10/22]-25日目

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【21】情報はフレッシュなうちに書け

鉄は熱いうちに打て

これは有名なことわざですね。

鉄が熱いときには柔らかいので、いろいろな形に変えることができる。同様に、人は頭でも体でも柔軟性があるうちに鍛えるべきだ、というところでしょか。

もう一つ広くとれば、、何事にも適切な時期がある、それを逃すな、ということとも考えられます。

情報については

現代は情報化時代ですから、情報についてはどうだろう、と考えました。

「情報は、」と言いかけると、このシリーズの第16回の記事で書いた「この世の中は、衰えていく方向に進むのが決まりのようです」ということが浮かびました。

情報というものも、生れたら、時間と共に劣化していくのです。

その理由の第一は、時間と共に、雑音とか不純物が混じり、またいろいろな反応が起こるということです。

ここで"反応"とは、たとえば金属が時間と共に酸化していき、つまり錆びていくということです。

情報も、金ぞ(係助詞)膜が錆びて劣化していくように、錆びて、役に立たない、あるいは有害なものに変質して行くのです。

他の理由として、環境が変わり、その情報の重要度が低くなっていく、とか、場合によっては、価値がプラスからマイナスに変わる、ということまであります。

これらのすべてにかかわり、特に情報に特有のこととして、「改ざんを受けること」と、「記憶の場合はそれが急速に薄れ、あるいは変質していく」ということを忘れてはなりません。

ここで「改ざん」とは、人間の意志により変化させられる場合と、"うっかりミス"により変化してしまうことの両方を含むものと考えます。

普通は"改ざん"とは意図的におこなわれるもの、という限定がつけられるものと考えられるものでしょうが、「"うっかり"はシロで"意図的"はクロ」というように分離できるものではない、というのが私の考え方です。"うっかりミス"も時にはとても罪深いものになる、という観点から、ここでは"改ざん"に含めて考えたいと思います。

情報を正しく保つには

何より大切なことは、情報に接したときに、すぐに書き残す、ということです。更に、それを広く行き渡らせることが大事です。

卑近な例で言うと、「憶えているから後でゆっくりまとめよう」、と考えていると、その機会はなかなか訪れません。そのうちに記憶が曖昧になり、やがて想像とか、関係する類似の事象を元に単純に延長する、などのことにより補填し、その結果、ゆがんだものになってしまいます。

そして、書き残したら、それを広く行き渡らせることです。そうでないと、いつか、似たようで少しだけ違った別物が、偽物としてではなく本物として現れます。

「少しだけ違った」が「あちこち違った」になり、やがて「全く別物」になってしまいます。

別の言い方をすると

「情報はまず第一報をすばやく書け」ということです。

問題である、あるいはそうなりそうな事件とか情報に遭遇したときに、「一つ疑問があるから、それを調べてから書こう」、などと考えていると、それを調べていくうちに別の疑問が出てきて、それをまた追求していくと、全く別の事件が起こって、そちらも対応しなければならない、などということになりがちです。

大事なことは、まず第一報を書くことです。疑問点は疑問点としてそのように書き残しておけば良いのです。

そうしておけば、たとえば自分の時間がなくなったとき、その疑問点を他の人に調査してもらう事ができます。

まず第一報を書き、次に調査を進め、疑問点が解決できたらそれを記録し、新しく分かったことを追加・補充していくのです。


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