創作ことわざ
[2020/10/23]-26日目
これもまた有名なことわざですね。
危険を冒さなければ成功しない。言い換えると、成功するためには、あえて危険を冒さなければならないこともある。
しかし、虎の子が欲しいと思っても、虎を相手に戦えるわけがありません。
母親の虎が子を穴の中において、食べ物を探しに出かけた留守にしか、成功の見込みはありません。
虎穴に入ったときに、母親の虎が穴に戻ってきたら、万事休すです。
子の虎の首に腕を回して、人質ならぬ虎質を取って、「近寄ったら子供の命はないぞ」などと脅しても、母親の虎には通じません。
成功するために「"思い切って"虎穴に入る」ということは危険すぎます。まず失敗する、と考えるべきです。
そうはいっても、「中に何がいるか分らないが、もう虎穴に入る以外に方法がない」という程追い詰められていたらどうするか。
「最後の最後には虎穴に入って虎児を捕らえる、という手もある」と考えてはいけないのです。
そこまで追い詰められる前に何らかの方策をとる必要があるのです。
「虎穴に入るしか手がない」という状況になったら、もう終りです。
「親の虎がいるかも知れない状態で虎穴に入る」というのは戦略ではありません。
虎穴の前に隠れて、穴の出入りを調査します。
虎児が穴を出るのはいつなのか。その時、親の虎はいつも一緒なのか。
虎児が単独で穴を出ることはない、ということが分ったら、親の虎がいないときに穴に入るしかありません。
親の虎がいつ出ていって、いつ帰ってくるのか。それが常に同じパターンを繰り返すのか、それとも日によって異なるのか、そうだだとしたら、その条件は何なのか。
たとえば、親の虎は天気が悪い日は出ていかず、次に天気が回復したときには必ず朝早く、この虎を穴に残して出て行く、などということを調査するのです。
そうして、安全なタイミングで穴に入るのです。