創作ことわざ
[2020/10/19]-22日目
「これをまだ充分に使いこなせていない」ということを言う人がいます。
これは勘違いです。
「使いこなす」などということはいつまでたってもできません。
腕時計を腕に付けて、見る時間はどのくらいでしょうか。
時間は1,2秒見れば足ります。
1日のうちに時間を気にして腕時計を見る、ということは、せいぜい10回くらいでしょう。これを仮に100回として約3分です。
1時間の5%です。1日8時間腕時計を付けていると、1%にもなりません。
それでよいのですね。
今は紙の辞書を使う人はずいぶん減っているようですが、高校生はまだまた使っているようで、書店には高校生向きの辞書が積まれています。
辞書の1ページを全部読むのは大変な労力です。
英和辞典、古語辞典などの辞書をよく使う高校生でも、大抵は目的の一つの単語に関する記述を読むだけで、時にその前後の短連語を読む、という程度でしょう。
結局50ページまでは行かないでしょうね。1500ページの辞書の3%位。100ページとして6%。そんなものです。
現代のスマホとかパソコンなどは、ほとんどの人はその能力の1%位でしょう。
パソコンを例に取ると、使っている時間は大体は1日数時間、そしてその間、CPU能力は平均すると1%にもならないでしょう。大部分の時間は何もしていません。なにしろ、人が考える時間のほうが長いですから。
もっとも、パソコンのゲームに"どっぷりと"はまっている人であれば、1日の大半の時間をそれに使い、高度な3D機能を使ったゲームばかりするというのであれば、多少は増えるでしょう。かなり極端な場合です。
このような場合でも、パソコンの機能まで含めたら、結局はほんの一部の能力しか使っていないということは確かです。
昔読んだ記事で一つ思い出しました。
英語を教えている大学教授の話です。
町を歩いているときなど、ふと、意味が分らない英単語が頭によぎると、一番近くの書店に行き、辞書を1冊買ってその単語の意味をチェックし、すぐに捨ててしまうのだそうです。
「家に帰ればもっと良い辞書があるが、その場ですぐに意味を確認したい、そして、確認したらその辞書はいらない」ということだそうです。
そのモノの能力の5%程度を使ったら、それで充分です。