創作ことわざ
[2020/10/4]
これは、「海に一日、山に一年、山に一日、海に一年」を短くしたものです。
「海辺で一日過ごしても飽きないが、山で一日過ごすと飽きる。また、山で一年過ごすと飽きないが、海で一年過ごすと飽きる」ということを表現しています。
よく聞きますよね。「浜辺に何時間いても飽きない」と。
波の音を聞きながら、ぼうっとして時間がどんどん過ぎていっても、不思議に退屈とは感じません。
海釣りに出かけた人が、何時間経ってもまったく釣れなくても、さほどがっかりしないのも同じようなことでしょう。朝早く起きて張り切って家を出てきたのに、何も釣れなくても、それほどがっかりしないのです。
「まあ、こういう日もあるさ」と、あっさり諦めてしまう。無駄足だったと悔やむなんてことは全くないのです。
何も釣れなくてもストレスにならない。かえってストレス解消になったりします。
ただし、海岸近くに住んで、いつでもすぐに浜辺に行ける、という様な状態になってみると、毎日の変化が少なくて、一年過ごすと、ちょっと飽きるな、と思ったりします。
山の中で一日を過ごすと飽きます。
景色と言えば、動きが少なく、朝夕の空はドラマチックですが、それも短時間のことで、一日の大半は平板です。
山では食べるものも制限されます。
とくに、同じところで一日を過ごしたら、本当に退屈です。
これが一年を過ごすとなると、まるで違ってきます。
冬の雪に閉ざされた状態から、春には雪解け、夏には新緑が映え、高山植物が咲き、秋には紅葉、やがて霜が降りるようになり、雪が降り、次第に根雪となってその厚みを増します。
飽きるということがありません。
どちらがいいか、ということではありません。
どちらも魅力があるのです。
海、山に限らず、いろいろなものが、それぞれの流儀で魅力を発揮しています。
ですから、いろいろな観点から見ないと、その良さが分りません。
どのようなところが魅力的なのか。一つ一つ異なります。
これって、人間のことでしょうかね。