小品いろいろ


[2017/5/17]

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【11】0.999…という無限小数の行きつくところ

昔から気になっていたこと

昔から気になっていたことの一つに、0.999…という無限小数の事があります。(*1)

次のようなことです。

1/3=0.333…
2/3=0.666…

左辺同士、右辺同士を加えても等式が成り立つことは明らかです。

1/3+2/3=0.999…

0.999…という無限小数は、私の理解では、9がどこまでも続くというものです。言い換えると、0.999…は決して1になることはない。

ところが左辺は 1/3+2/3 ですからぴったり1です。つまりこうです。

1=0.999…

線を分割する

0.999…を別の角度から考えてみます。

長さが1の線分を考え、それを9:1に分割します。0.9と0.1ができます。0.9を脇にどかして、0.1をまた9:1に分割します。0.09と0.01ができます。長い方の0.09を先ほど脇にどかした0.9につなぐと0.99になります。この操作を繰り返すと、脇にどかしたほうは長さが0.999…になります。元の長さ1の線分の残りはどんどん小さくなっていきますが、どこまで行っても0にはなりません。

アキレスと亀

これって、アキレスと亀の話に似てますね。

足が速いことで有名なアキレスが歩みの遅い亀と競争することになった。亀のスタート地点をアキレスより前のA地点に移した。ハンディというわけです。ここでアキレスと亀が同時に走り出すと、アキレスがA地点に到達したとき、亀はもう少し先のB地点にいる。アキレスがB地点に到達したときには亀はさらに先のC地点にいる。このようにしていつまでも亀はアキレスの少し先にいて、追い越されることがない。

アキレスはある時間後に亀に追いつけるのが事実ですが、追いつく距離を分割して、無限回を引き出しています。有限の長さなどを無限回分割することができるのです。

ではどうなのか

このことをどのように理解すればいいのか、を、実は今まで何度も考えてきました。なかなか腑に落ちなかったものですから。

1=0.999…は、ある意味では正しい。等式の操作に間違いはありません。


現在の理解の仕方、言い換えると納得の仕方はこうです。

0.999…というのが問題で、9が無限に続くという数値はなんだろうか、と考えると、無限というのはよくわからないのです。

そこで、1/3=0.333…を考えてみます。0.333…という数値はなんだろうか。たとえば0.3333333333(3が10個)よりわずかに大きいのです。もう1桁増やして、0.33333333333(3が11個)では、さらにわずかに大きな数値ですが、まだ表現しようとしている数値より小さいです。

0.333…とは何なのか。これはどうも、1/3以外の何物でもないのです。

すると、0.999…は1以外の何者でもないということになります。

無限という言い方を簡単に使ってしまいますが、実は無限というのは数値として扱うとおかしな事になる可能性があります。

等比級数としてみると

0.999…は等比級数の和である、と言うことができます。

そこで、0.999…を等比級数の和として、0.9(1+1/10+1/100+…)と表現できるはずです。等比級数の和は公式があって(ここでは詳細は省きますが)、この場合は、0.9(1-(0.1)n)/(1-0.1)=1-(0.1)nとなります。nは何桁まで9を続けるかの数で、n=1のときは0.9、n=2のときは0.99などということになります。

nをどんどん大きくしてやると、値は1にどんどん近づきます。このような場合は1に収束する、と言います。では、いつ1になるとか、というと、通常は、「1にいくらでも近づくが、どこまで行っても1に到達することはない」、という考え方をしてしまいます。nをどれだけ大きくしても1にならないのですから。

そこで、やはり0.999…は1より小さいのか、という感覚が戻ってしまいます。

0.999…という書き方が問題の原因なのでしょう。無限に繰り返す、という表現が問題だということでしょう。

でも

それでも、0.999…という特殊な数値がどこかにひっそりと隠れていて、「1よりわずかに小さい数値である、どれだけ小さいかというと、とにかくほんのわずか」という可能性はないのだろうか、と考えることがあります。

はっきり言って、妄想ですね。

妄想ついでに

すべての数は、それよりわずかに大きな数とわずかに小さな数がひっそり控えている、というイメージが浮かんできます。

仏教の世界で、釈迦三尊像など三尊像があります。釈迦三尊像の場合は、中央に釈迦如来、その左右には文殊菩薩、普賢菩薩が並びます(違う組み合わせもあります)。釈迦如来を中尊(主尊)、両菩薩を脇侍(わきじ)と言います。(*2)

このようなイメージでしょうか。

この言い方を準用して、脇数というのはどうでしょうか。あらゆる数値は大小二つの脇数が控えている。あくまでも控えている、ということですね。通常は目立つことがない。その中心の数は主数というのがいいですかね。

まとめると、あらゆる数値は、主数と大小二つの脇数で構成される。

では、1よりほんのわずか大きな数値は、どのように表せるのでしょうか。

1.000…1 というところでしょうか。

いままでは、1について考えたのですが、0についてはどうなのでしょうか。

0の前後には、0.000…1 と、-0.000…1 があることになります。こちらは対称性があっていいですね。

このような形で統一的に表現するなら、上記の等比級数の和の表現をまねて、先ほどの0.999…と1.000…1 などの数値の一般的な表現形式として、

a +/- (0.1)n

と表せます。

主数はa、脇数は a +/- (0.1)

無限に続く、という事を記号∞で置き換えています。なんとなく、妄想的仮説としてはよさそうです。

ただし、こう書いてしまうと、0.999…と表現したことからいろいろと考えを巡らすことは難しくなります。もっとも、"考えを巡らす"というより"妄想を膨らます"ですかね。

備考など

(*1) ここで取り上げる0.333…などは、繰り返しのパターンがあるので循環小数と呼ぶのが正確かもしれませんが、1.000…1 のような数も扱うので、ここでは無限小数という表現にします。

(*2) 人見春雄・野呂肖生・毛利和夫編 図解 文化財の見方―歴史散歩の手引き p.106 山川出版社 2007年7月



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