小品いろいろ
[2017/6/21]
【12】神様の神様の神様の…
童話
昔、我が子が小さかった頃、寝かしつけるためにお話をしていたことがありました。
絵本を読んで聞かせる、ということから始めたのですが、なかなか眠りにつかないことがあり、明るいとだめなのかな、と考えました。
童話などはいろいろと知っているからから、空で覚えているお話を聞かせようと、明かりを消して話し始めたのですが、続けるのがとても難しいことを悟りました。
ほとんど覚えていないのです。
シンデレラの話はどういう場面から始まるのか。
桃太郎は生まれた後でどのような育ち方をしたのか。
金太郎の話はまるで分かりません。
北風と太陽というイソップの話はどうして北風と太陽が競うことになったのか。
そこで即興で、でまかせの話を聞かせることにしました。
それが意外に長く続けられたのです。
その一つです。即興で語った物なのでストーリーははちゃめちゃです。
神様の神様の神様の…
タロちゃんはいつも元気いっぱい。
ついはしゃぎすぎて、飛び上がって地面に着いたときに石につまづいて転んでしまいました。
運悪く、近くにあった大きな石に頭をぶつけて大けがをしてしまいました。
これを見ていた神様が言いました。
「おまえはなんてまぬけなんだ。罰として今日は夕ご飯抜きだ」
これを聞いた神様の神様が言いました。
「こら、神様、そのくらいで子供に罰を与えるなんてひどいじゃないか。おまえは神様失格だ。これからは普通の人間だ。」
これを聞いた神様の神様の神様が言いました。
「こら、神様の神様、神様の身分は神様の神様会議で決めることになっているのだぞ。勝手に処分するなんて神様の神様失格だ。おまえはこれからはただの神様だ。」
これを聞いた神様の神様の神様の神様が言いました。
「こら、神様の神様の神様、神様の神様の身分は神様の神様の神様会議で決めることになっているのだぞ。勝手に処分するなんて、神様の神様の神様失格だ。おまえはこれからは神様の神様だ。」
これを聞いた神様の神様の神様の神様の神様が言いました。
「こら、神様の神様の神様の神様、神様の神様の神様の身分は神様の神様の神様の神様会議で決めることになっているのだぞ。勝手に処分するなんて、神様の神様の神様の神様失格だ。おまえはこれからは神様の神様の神様だ。」
これを聞いた神様の神様の神様の神様の…
こんな話を聞いていたら、ばかばかしくて寝てしまうかもしれませんね。
神様の神様の神様の…
こうしてお話はいつまでも続きます。
あれっ、前回の記事の無限小数の続きだったのか。