【4】神社の写真展での撮影メモ


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[2016/9/23]

レンズ

2016年の写真展に使用する写真を撮影中に、レンズ一式を変えました。といっても、それまでは

AF-S VR Zoom-Nikkor 24-120mm f/3.5-5.6G IF-ED

と、シグマの50mm、105mm(VRなし)のマクロだけだったのです。

精細描写が必要な時にはマクロレンズを使い、そのほかは24-120mmで済ませようとしていたのです。

ところが、ある写真展で精密な描写の写真を見て、これではいけない、と思い、レンズのグレードアップを考え出しました。

もう一つ理由がありました。上記のマクロレンズは逆光に非常に弱いのです。構図の中に明るい空の様なものが入ると、盛大にフレアが出ます。マクロ撮影では逆光という場面は少ないのかもしれませんが。もしかして旧型のためかもしれません。現行型はレンズ設計やコーティング技術などで改善しているはずですから。

いずれにしても、24-120mmをカバーし、できればそれより広い焦点距離をカバーしたいという考えでした。

Nikonの24-120mmF4はいろいろなところで評判はいま一つで、それを除くと、標準24-70(or 105)、望遠70-200、超広角(24mmより広角の領域)の3本という構成に傾きます。

望遠70-200は、候補としては、NikonのF4.0とタムロンF2.8が候補でしたが、これは簡単に決まりました。タムロンF2.8が重すぎること、NikonF4.0の性能評価があまりに高かったためです。

NikonのF2.8はF4.0とくらべて、値段が高い、重い、の他に、解像力が両者同等か、F4.0の方がわずかに高い、というデータがあったのです。

たとえば、DxOMarkというサイトでは、F4.0とF2.8では、総合点(DxOMark Score)がそれぞれ、26と27、Shapnessは18と17。私には、性能としては解像力あるいはShapnessが最優先です。この点でF4.0の方がわずかに良いことになります。

まあ、このようなサイトの数値はあくまで参考値でしかないのですが、F2.8またはF4.0の明るさが必要でないなら、F4.0はF2.8に対して少なくても同等と言えそうです。

ポートレートをやらない私にとって、F2.8とかF4.0の明るさは必要ありません。F8~F16のレンジが重要なのです。

建物の写真を撮ってきて、現在はF11~16が標準的なF値で、F22までは気にしないで絞ります。これは、民家の写真集を見たときに、大部分がF16、ときどきF11とかF22がある、ということを知って、絞り込んだ時の弊害(回折による)は大したことがない、と考えたからです。

レンズの評価記事では、F5.6付近がベストで、F11辺りからは解析による画質低下が明らか、などという文章をよく目にするのですが、実際に撮影しての印象ではちょっと違いました。

事実、最近の写真展ではF11~16で撮影した写真をA1ノビのサイズにプリントして間近で観察しても、充分な分解能が得られています。現実問題としては回折よりもブレの方が大きい、という印象でした。

超広角レンズについては、ニコンの14-24mmは性能はいいのでしょうが、値段が高い、重い、という問題があります。ニコンの16-35mmF4はVR付きですが、画質に不満、という評をよく目にします。ということで、軽量で画質の評判が高い18-35mm F3.5-4.5G EDということにしました。もうちょっと広角側が広いと良かったのですが仕方がありません。

標準ズームは、随分長い日数をかけて検討した結果、シグマの24-105mmF4.0にしました。他の候補は、タムロンとニコンの旧型(ともに望遠は70mmまで)でした。ボディに標準ズームをつけっぱなしで撮影することも多いだろう、いう点で望遠側が105mmというメリットは大きいという判断です。

実際に撮影してみると、シグマの24-105mmF4.0での70~105mmの領域はどうもニコンの70-200mmF4.0の方がわずかに高画質と感じられたので、レンズ交換することもあります。しかし、1本のレンズで24-105mmをカバーしている、ということが便利であることに間違いはありません。

雲台

建築物は水平・垂直が重要で、寺院の撮影の時は、スリーウェイ雲台でしたが苦労しました。角度の微調整が非常にやりにくい。

ちょうどマンフロットからXPROギア雲台という低価格のものが出ていたので、それを導入しました。

角度の微調整がしやすい、という点ではまあ満足でした。でも非常に弱い。ギヤ付き雲台の宿命なのでしょうか、ロック機構がなく、フリクションで角度を保持するものです。耐久性が低いでしょうね。

私にとって最大の問題は、高いところに向けることができない、ということでした。建物の近くに三脚を据えて、屋根の頂上付近にカメラを向けようとすると、つかえて向けられません。このことに初めて気づいた時には困りました。

しばらく考えて、レンズを真下に向けることができることから、その状態でボディ取りつけを180°回転すれば真上を狙えるはずです。ということでやってみると、今度はクイックリリースプレートがはめられません。前後で対称的でないのです。仕方がないので、クイックリリースプレートの締め付けねじを緩めて180°回転してからねじを締めつける。これでやっと高いところを撮影できます。ただし、こうすると、本来手前のところにあるはずのギアハンドルが反対方向になってしまい、腕を伸ばしてようやくハンドルを操作する、ということになります。

通常の角度の撮影に戻るには、またクイックリリースプレートの締め付け直しをしなければなりません。

クイックリリースプレートを非対称にする、という仕様は一体どこから来たのでしょうね。

現在、雲台については、元のスリーウェイ雲台に戻ろうか、と考えているところです。ギヤ付き雲台で角度を微調整しても、画像処理していると、角度を補正したくなる事があるのです。それだったら、撮影の時には微調整は追及しないで、あとでソフトで補正する、という考え方です。まだ結論は出ていません。

なお、ソフトで画像を回転すると、当然画質は悪くなるはずですが、2400万画素のカメラという前提ですが、経験上、画質低下は気になりません。

現像ソフト

現像ソフトとして今まではニコンの付属ソフトをずっと使ってきたのですが、シグマのレンズが加わったので、レンズの歪み補正をするために、Lightroom6を導入しました。

撮影して、現像、ある程度の画像調整、歪み・色収差補正、そして、撮影したカットに対して、ランク付けして管理する、という処理の流れは、最初は分かりにくいのですが、使っていくうちになじんできます。

Lightroom6には、HDRとパノラマの画像合成機能が組み込まれています。今回も少し試してみました。パノラマ合成については、今まではMicrosoft のフリーソフトであるICEを使っていましたが、Lightroom6ではRAWデータのまま処理できるので、ICEは使わなくなりました。




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