韓国ドラマに見る韓国人気質


[2020/1/28]

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【27】韓国ドラマに見る韓国人気質

ある韓国ドラマを見て、不思議に思った

私は韓国ドラマのファンというわけではありませんが、妻が見ているときに、時々見る事があります。

最近、とても違和感を感じたことがありましたので、それについて書いてみます。

そのドラマは時代物で、次のようなストーリーです。

前の王と正室でない女性との間に生れた子供(女子)が、その事実をを知った反対派により関係者全員が殺される、という時にかろうじて母子が逃れて田舎で暮らし始めた。

子はやがて成人して都で暮らすようになり、偶然に時の王(上記の王の子)に見初められ愛し合うようになるが、この女性は王と腹違いの兄妹であることが少しずつ分ってきて距離を置こうとする。

王もそのことが分り、妹として王宮で暮らさないかと言うが、女性は「自分にはやりたいことがある」といって断る。

それで、最終回では、その女性は、正確にはよく分らないが、現代の弁護士のような活動をする事になり、裁判でそれまでの判決を覆す事に成功する。このエピソードをもってこの連続ドラマが終わる。

「裁判でそれまでの判決を覆す」というのが問題で、どういうことかというと、ある殺人事件でそれまでは無罪とされていたのに対し、有罪である、とその女性が主張してそれが認められた、というストーリーなのです。

事件とは、ある役人が一人の庶民を殺したが、それは正当な理由があってそうしたのであって、罪はない、とされていたのです。それをひっくり返して、やはり有罪であると判決が下った、というものです。

ヒロインの女性は、王からの申し出を受け入れれば王宮で優雅な生活を送れるのに反して、王宮には入らず、社会正義のために奮闘する、というものです。

感じた違和感

そういう所にスポットライトが当てられたものと考えたのですが、強い違和感を憶えました。

この女性のしたことは、「"判断の誤りにより"罪を犯した人が罰を免れる」という状態であることを証明し、「正しい判断は罰を与えることである」という変更に導いた。

「"判断の誤りにより"罪を犯した人が罰を免れる」というケースと、「"判断の誤りにより"無実の人が罰を受ける」というケースを比較すると、韓国の人は、「罪を犯した人が罰を免れる」ことの方が「無実の人が罰を受ける」ことより重大なことだ、と感じているのではないか、ということに対する違和感です。

このドラマでは、より厳しい人生を選択した女性が、その選択が正しいということを視聴者に受け取ってもらいたい、と考えた結果のストーリーだと思うのです。テレビドラマですから視聴者の共感を呼ばなくてはならない。

ですから、これが韓国の人の考え方なのだろうな、と感じたわけです。

私だったら、最終回のエピソードとしては、「"判断の誤りにより"無実の人が罰を受けることを阻止する」というストーリーにすると思うのです。

「"判断の誤りにより"罪を犯した人が罰を免れる」というケースと、「"判断の誤りにより"無実の人が罰を受ける」というケースを比較すると、日本人ならほとんどの人が「無実の人が罰を受ける」ことのほうがより重大なことだと感じると思います。

どうも韓国の人はそうではないように感じられました。

もちろん、ドラマのストーリーですから、いろいろな要素が入ってきます。

もしかしたら、その頃の韓国では、「罪を犯した人が"判断の誤りにより"罰を免れる」という大きな事件が発生して社会的に広く抗議運動が起こっていた、という背景があったのかも知れません。そういう背景かあったためにつくられたストーリーだったということです。

でも、そのような背景があったとしても、やはりこのドラマの最終回のストーリーには違和感を感じます。

日本と韓国のニュースをくらべると

日本では、"冤罪"がときどき大きなニュースになります。

警察のいい加減な取り調べ・証拠品集めと、検察による有罪前提の調査などが報道されます。

韓国のニュースはあまり知ることがないのではっきりしたことは言えませんが、日本で報道される内容としては、罪を犯しているのに逮捕・有罪判決にならない、という問題が多いように感じます。

これは「無実の人がようやく疑いを晴らして無罪を勝ち取った」というケースはあまり報道されないという事かもしれません。

残念ながら、私の知り合いには、韓国に住んでいる人、あるいは韓国人の考え方・感情を理解している人がいないので、確かめることができません。


いま、日韓関係はとても"ぎくしゃく"しています。これを改善するには、互いに相手の心情を理解する事が必要だと思うのです。このようなエピソードについて、両方の感じ方をはっきりさせることは、関係改善への一歩になるのではないか、と感じました。

北朝鮮は

ここでは韓国と書いてきました。民族としては北朝鮮も同じですから、"朝鮮"と言うべきかも知れません。しかし、北朝鮮の人の情報はほとんど入ってこないので、どのような考え方をするのか見当がつきません。


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