統一・非統一トップ 5 3組
[2020/12/1]
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世の中には、いろいろな規格が統一されていて、使い方が簡単になっている、と感じるものがあります。
その一方で、規格が統一されていれば便利なのに統一されていないと思うものもあります。
それには2種類合って、統一したいのは違いないが、やむを得ない理由で統一できていないものと、統一できてよいのにわざわざ変えていると感じられるものがあります。
そこで、次の三つの状態について、それぞれのトップ5 を考えてみます。
(1) ネジの回転方向
(2) (アナログ)時計の針の回転方向
(3) 水道の蛇口の取っ手の回転方向
(4) 乾電池のプラス・マイナスの端子構造
(5) テンキーの配列
(1) ネジの回転方向
ネジの回転方向は想像がつきます。
締めるときに締めやすいということ、それに"右利きの人にとって"という要因を付け加えればそうなります。
ヒトの場合、右利きが絶対多数なので、いわゆる"右方向の回転"が締まる方向です。
(2) (アナログ)時計の針の回転方向
(アナログ)時計の場合、「時計回り」、「反時計回り」と表現することを考えると、完全に統一されています。
英語でも、"clockwise"、"counterclockwise"で、日本語ときれいに対応します。
例外は、逆の回転方向にしたものがありますが、遊びの精神で変えたもので、極めて少数です。
(3) 水道の蛇口の取っ手の回転方向
水道の蛇口の取っ手もネジの考え方と同じでしょう。
おもしろいのは、上下に動かすレバー式のもので、長い間、下げると水が出て、上げると水が止まるものとして統一されていたものが、途中で反対に変わりました。
その理由ははっきりしていて、阪神・淡路大地震の時に建物が壊れて天井などが水道の蛇口の上に落ちてレバーが下がり、水道が出てしまった、ということです。このことは、少し前までは、住宅展示場とか、水道関係の機器の展示場に行くと、何度も担当者から聞かされました。
(4) 乾電池のプラス・マイナスの端子構造
乾電池のプラス・マイナスの端子構造とは、プラス側が丸く突き出た部分があり、マイナス側は平らである、ということです。
いわゆる単一から単五までの、円筒状の乾電池はそのようになっています。
それに合わせて、電池ケースでは、マイナス側にはバネがあり、ブラス側にはバネがない、というのがほとんどで、これもきちんと統一されています。
そのため、乾電池の入れ替えでは、向きを間違えることは非常にまれで、まちがってもすぐに分かります。
(5) テンキーの配列
テンキーの配列とは、0(ゼロ)から 9 までの10個の押しボタンを備えた機器で、電卓とかプッシュボタン型の電話機(今ではこれがほとんどすべてでです)、パソコンのキーボード(テンキーがないキーボードもあります)などに見られます。
これには2種類あって、1~9の9個のキーが上から下まで3段に分かれていているのは共通ですが、その並びが、9/8/7、6/5/4、3/2/1というタイプか、1/2/3、4/5/6、7/8/9というタイプです。ゼロは4段目に配置されます。
前者は電卓やパソコンなどの電子機器で多く使われ、後者はもっぱら電話機で使われます。
ところが最近、全く別の配列のテンキーが出てきました。液晶画面にキーが表示され、指で押すのですが、そのキーの配置が毎回変化するのです。
私が初めてそのタイプの入力をした時に店員に聞くと、クレジットカードなどの暗証番号を入力するときに、近くにいる人が指の動きをこっそりのぞいて暗証番号がわかってしまうという問題が出てきて、キー配置(の表示)をその都度換える方式に変わってきたのだそうです。
テンキーの配列は"その都度変化する"というタイプが今後の主流になっていくのかどうかわかりません。しかし、そうであってもその理由は理解できるものです。
(1) ヒトの手の右利き/左利き
(2) 日本語文章の横書き・縦書き
(3) 道路の右側通行・左側通行
(4) 日本の交流電気の50Hz/60Hz
(5) 長さ・容積の単位系
(1) ヒトの手の右利き/左利き
「ヒトの手の右利き/左利き」は、統一すべきなのかどうか、よく分かりません。
自然に右利きか左利きになる以上は、そのまのまが良いとも思います。
現実に右利きが多いのですが、左利きの方が有利なことがあるのかどうかは不明としか言いようがないのです。
野球では、打者は左打ちが有利、ということはあるようです。
左打ちの人はバッターボックスが一塁ペースにすこしだけ近いので、内野ゴロでもセーフになる確率は高くなります。
少数派が有利、というのは確かにあるでしょう。バッターにとって、右投げの投手が多ければそれに慣れるので、左投げの投手に対しては打ちにくい、ということがありそうです。
もっとも、左投げの投手は打ちにくい、となれば、左投げ投手に対する打撃練習を重点的にやるべきなので、特別な問題ではないともいえます。
文字を書くときに、横書きでは左から右に書いていくので、右利きの方が有利だと思います。
アラビア語は右から左の方向に書いていくと聞いていますが、左利きの人が多いのかどうかは分かりません。
(2) 日本語文章の横書き・縦書き
日本語文章の横書き・縦書きに着いては、横書きが増えてきましたが、縦書きはなかなか減りませんね。
私は断然横書き派です。
横書きが便利というのは、新聞の折り込み広告のように全く制限がない場合に、圧倒的に横書きが多いことで分かります。
ある国語辞典が縦書き版と横書き版を出版していましたが、いつのまにか横書き版はなくなってしまいました。圧倒的に売れなかったとのこと。
時間が掛かるのでしょう。でも言い換えると、時間の問題です。
(3) 道路の右側通行・左側通行
道路の右側通行・左側通行は、日本に居る限りは問題無いですね。輸入外車が左ハンドルで時々使いにくいことがある、という位です。
スエーデンが左側通行から右側通行に変えています。調べてみると、1967年とされています。欧州ですから、既に自動車はかなり普及していたでしょうね。
スエーデンは他の欧州の国と陸続きですから、国境を越えると左側通行・右側通行が変わる、というのは不便でしょうね。
イギリスだったら海を隔てているので、問題は少ない。でも今では英仏海峡トンネルでフランスと道路がつながりました。イギリスが今まで通り左側通行で通すのかどうか。イギリスのことだから、大陸側が左側通行にすべきだ、と言うのかもしれません。
(4) 日本の交流電気の50Hz/60Hz
日本の交流電気の周波数の違いは困った問題ですが、影響はそれほど大きくはないようです。一部の電気製品で互換性がないことがときおり聞きます。
最近の電力事情の問題から、電力会社間で電力を融通する仕組みが整備されてきましたが、その場合は問題があり、面倒なことをしなければいけないようです。
統一しようとしたら、発電所、変電所などが影響するので、進まないでしょうね。
鉄道はどうしているのでしょうか。私は常磐線沿線に住んでいて、直流と交流の違いの問題は知ってます。東京に行くとき、あるいは東京から帰るとき、途中で「交流・直流の切り替えのため、一旦照明が消えます」という放送があり、10秒くらいだったでしょうか。車内が暗くなります。
東京の都市近郊は直流、郊外では交流で電車が動くのですね。ですから、電車には交流を直流に変換する機器がつきます。
(5) 長さ・容積の単位系
さて、長さ・容積の単位系です。
日本では、基本的にメートル法を採用していますが、それに移行しなかったものがいくつもあります。
建築での1間(けん)・1尺・1寸などがあり、それに関係して部屋を一畳単位で数えたりします。
その中でも、京間と江戸間という違いがあり、さらに団地間が最近でてきた、ということは知っていましたが、愛知県とその周囲で使われる中京間もあるようです。
大きい方から、京間→中京間→江戸間→団地間という具合です。
自転車が従来のインチねじを使い続けている、というのは有名な話です。メートル法に変えようとしても、多数の自転車屋にとって、新しくメートル系の道具をセットで揃えるのは負担が多過ぎる、ということでインチねじのままになっていると聞きました。
カメラを三脚に取り付けるねじ穴がインチねじです。これなどはミリネジに換えて替えても大して影響はしないと思うのですが、いつまで経っても変わる気配はありません。
容積では、酒の一升瓶、四合瓶、五合瓶はなかなかなくなりません。紙パックが少しずつ使われるようになってきましたが、1800mlとか900mlなど、従来の瓶のサイズに合わせる例が多いです。
灯油が今でも18リットルを単位にしているのも不思議です。一斗缶ですね。一斗は10升。
炊飯器も五合炊きなどという言い方をします。
でも、これらは少しずつ変わっていくような気がします。
(1) 充電の充電中・満充電表示時方法
(2) 電源アダプタの端子のプラス・マイナス
(3) パソコンのキーボードの文字配置(特にEnterキーの周囲とCtrl/Fnキー)
(4) カメラのレンズ取り付けの回転方向(ズーム、ピント調節も同じ)
(5) プログラミング言語のコメント表記方法
(1) 充電の充電中・満充電表示時方法
様々な電子機器はバッテリーを充電して使うものが大多数です。
充電中と充電完了は区別できる必要があります。
代表的なものを分類してみました。
分類 | 充電中 | 満充電 |
無表示 | ― | ― |
点灯・消灯 | 点灯 | 消灯 |
点滅・点灯 | 点滅 | 点灯 |
色変化 | 赤・黄系統の色 | 青・緑系統の色 |
"無表示"は単なる手抜きでしょうから、これ以上は取り上げません。
点滅という表示を採用するかしないか、これは制御回路の問題のような気がします。点滅を簡単に制御できれば、一つのランプで点滅/点灯の二つの状態を表示できるので、コスト的に有利です。
点滅方式を使わないとすると、点灯・消灯かあるいは色で区別するか、という所でしょうか。
厳密に言うと、消灯というのは充電という動作が現在行われていない、というイメージでしょう。それには、充電が完了したときと、そもそも充電していない(電源アダプターのプラグがコンセントに刺さっていないなど)の両方が区別されていない訳で、不十分です。
もっとも、先ほど充電が始まった、と憶えていれば、「消灯は充電完了」と分かりますから、それほど不便ではありません。
問題なのは、点灯の意味が上記の二つで異なることでしょう。一つは「充電中」、もう一つでは「満充電」ですから。
色変化型は、赤・黄系統の色は充電中、青・緑系統の色は充電完了で、大体分かります。しかし、点灯・消灯型と点滅・点灯型での点灯のほとんどが赤系統の色で、これが色変化型の充電中の表示と紛らわしいことです。
さらに、青・緑系統のLEDは暗くて見えにくいので、LEDが2個あることに気付きにくい、という事情もあります。
このような混乱が、メーカーによって異なったり、同じメーカーでも製品によって異なったりしてくるので、困ったものです。
(2) 電源アダプタの端子のプラス・マイナス
小型家電では、乾電池の他に電源アダプターが用いられます。
その先端のプラグの形状は規格が統一されているようです。サイズには何種類かあるようですが、一番広く使われているものの写真を下に載せます。
先端はプラスとマイナスの2極ですが、これが次の様に2種類あるんです。
これって、どうして統一しなかったのでしょうね。
違うものにしている理由が分かりません。
もっともこう考えるのはユーザの立場であり、メーカーにとってはそれぞれの機器に専用の電源アダプタを使うのだから極性は問題にならない、と考えるのでしょう。
(3) パソコンのキーボードの文字配置(特にEnterキーの周囲とCtrl/Fnキー)
Ctrl/Fnキーの配置については色々と議論があります。
デスクトップパソコンではキーボードが交換可能で、かつCtrl/Fnキーの配置は統一されていますから、ここではノートパソコンに限定しています。
大まかに言うと、メーカーによって違っています。
NEC,レノボ、Panasonicなどは左端がFnキーで、富士通、東芝、ソニー、、DELLなどはCtrlキーが左端です。
キーボード操作でCtrlキーをよく使う人にとってはこの違いは大問題で、わたしはかつて、この問題に気づかずに左端がFnキーのノートパソコンを買ってしまい、かなり使いづらい思いをしたことがあります。
ときには、パソコンを床にたたきつけたい気持ちになったこともあります。
デスクトップパソコンのキーボードはまず例外なく左端がCtrlキーであり、デスクトップパソコンとノートパソコンを使い分けている人にとっては大問題です。
左端がFnキーのパソコンを製造しているメーカーは、Ctrl/Fnキーの入れ替え機能を用意していることがあり、これが一つの問題であると認識しているのではないかと思います。入れ替えをしてもキートップの刻印は変わらないので、シールを貼ると良い、などと言う説明をみると、一体何なの、と言いたくなります。
Ctrl/Fnキー型配置のパソコンでは困る人が少なく、Fn/Ctrlキー型配置では困る人が多い(と私は思っています)ので、これはぜひ改善してもらいたいと考えます。
一つのメーカーでも機種によってこの二つのキーの配置を換えている例もあり、時代によってCtrl/Fnキー型配置からFn/Ctrlキー型配置に換えた例もあり、更にCtrl/Fnキー型配置に戻ったりすることもあります。
このCtrl/Fnキー配置に比べると、"Enterキーの周囲"の問題はかなり明確です。
パソコンは世界的に見ると、アルファベット圏の国々が多数なので、それを元に日本語入力に向けた小改造が行われる、と聞いています。
日本語入力ではアルファベット圏の入力文字に比して多くのキーが必要なので、どこかに割り込ませる必要があり、比較的使用頻度が低い文字が配置されているEnterキーの近くのキーのサイズを小さくして"詰め込んでいる"と思われます。
このように想像することの傍証として、パソコンの紹介の文書で、日本語版のパソコンなのに、キーボードは英語版が使われていることが挙げられます。
本当に、日本語キーボードの図はないのです。英語キーボードはキー配置に無理がなく、見て美しいからなのだろうな、と思っています。
小さな文字で、「日本語キーボードとは、一部でキーの配置・サイズが異なります」と説明があったりします。
このことは、怒りを通り越して笑ってしまうほどです。
"ローマ字入力派"にとってはむしろ英語キーボードでも良いのでしょう。私は"かな入力派"なので、不満です。
最近、パソコンメーカーのサポート窓口にキー配置を尋ねたところ、「○○のサイトにその機種の日本語キーボードの配置が分かる写真が出ています」との回答でした。「第三者の評価記事で信用していいのですか」と聞くと「大丈夫」とのこと。つまりメーカー自身に日本語キーボードの情報がないのです。
パソコンの評価記事の一つでは、夫婦で同じメーカー、同じ機種を1年くらいの間隔を空けて買ったら、キーボードのキー配置が違っていた、という報告がありました。
ですから、発注しても、商品が届くまでは安心できないのです。
(4) カメラのレンズ取り付けの回転方向(ズーム、ピント調節も同じ)
これは問題が単純で、レンズ交換式のカメラにレンズを取り付けるときに、レンズを回転させる方向が右回りか、左回りか、という違いがある、ということです。
ねじ込んで取り付けるのだから、ネジと同じで右回りに回すと取り付けられる、と思うのですが、ニコンというメーカーだけが左方向に回すのです。
他のメーカーでも機種によっ左回しで取り付ける機種がある、という情報もありますが、ニコン以外は圧倒的に右回しです。
レンズ交換式のカメラメーカーとしては、キャノンとニコンが両横綱といえるので、両社で対応が分かれています。いや、むしろニコンだけが左回しになっている、といっていい状態です。
ニコンとしては、左回しのニコンのレンズを持つユーザがすでにたくさんいるので、右回しのタイプのカメラを作るわけには行かない、という所なのでしょう。
その原因としては、かつて、ドイツの二大カメラメーカーが右回しと左回しで分かれたことと言われています。
ドイツのあるメーカーが世界で最初にレンズ交換式のカメラを開発し、当然ながらレンズは右回しで取り付けるものだった。そのライバル会社は先行会社のやり方を何から何まで逆にしたカメラを開発し、レンズ取り付けも左回しにした。ニコンは後者に合わせた。
このエピソードを知って、私は「ドイツ人にも度量の小さい人がいるもんだ」、と思ったものでした。
私は、カメラをaps-cサイズの一眼レフ、フルサイズの一眼レフと二代続けてニコンにしましたが、その後にソニーのカメラを入手し、右回しでレンズを取り付けるたびにホッとするのでした。
ですから、次に買うときがあればニコンは避けることになるでしょう。レンズは気に入っているのですけどね。
レンズを取り替えるたびに悲しく腹立たしくなるのはもうイヤです。
(5) プログラミング言語のコメント表記方法
計算機のソフトウェアを書いた事がない方には見当がつかないことでしょうが、これは挙げておくべきと思いました。
計算機で動作するソフトウェアはプログラミング言語で記述します。
言語と行っても、書き言葉だけです。
この中に、この部分はこのような意図でこうしている、ということを記録しておかないと、あとでそのプログラムを読む人が理解できない、ということが多々あります。そこで、コメントを挿入するのです。
例を一つ言えば、Excelで、あるセルに"=1/0"という文字列を書き込むと、そのセルの書式が"標準"ではエラーになります。"1/0"は計算できない、とされるのです。そこで、「数式ではなく文字列ですよ」ということを示すために"'=1/0"という書き方にします。このときのクォーテーションマークのことです。
コメント文であることを示すためには、典型的な方法としては、先頭に特別な文字または文字列を置く方法と、コメント文の先頭と末尾に特別な文字列を入れる場合があります。
次の例は、コメントの先頭に"//"をかく、という場合の例です。
// This line is inserted for ..... 20150712 XX
XX の所には人名があったりします。特に修正をしたような場合に、修正した人が誰なのかを書くのです。
あとで、この部分を読んで、「先週転職していったあの先輩がここを修正していたんだ」などと感傷にふけったりします。
日付も重要なことがあり、コメントを読んで、「ああ、このころにいろいろと修正の手がはいったんだな」などと思ったりします。
コメントには、後で参考になることを書いておくものです。昔、数値計算をするプログラムを読んだ時に、その計算アルゴリズムが詳しくコメントとして書いてあり、参考文献まで書かれていたのを目にしたことがありました。そのような場合には、コメントが50行とか100行とかの長さになったりします。
先頭の文字がクォーテーションマークのときは、その行はコメント行である、というのはたしか、Visual Basicの決まりだったと思います。その昔は、先頭に"REM"と3文字を書く、というやり方もあった様な記憶があります。
C言語では、/* と */でコメント部分を囲みます。こうすると、複数行にわたるコメント文を簡単に入れることができます。/* が出てきたら、その次に */ が出てくるまで何行でもコメントとされます。
このようなコメントを指示する文字(列)が実に様々なのです。
先頭に特定の文字(列)を置く場合
// aaaa
# bbbb
' cccc
REM dddd
先頭と末尾に特定文字(列)を置く場合
/* aaaa */
(* bbbb *)
< !-- cccc -->
最後の例では、"<"と"!"の間に空白文字がありますが、正しくはそれがありません。規定通りの表記にすると、この文章を書いている、ある意味でプログラミング言語の一種ですが、その中ではコメントとみなされて正しく表示されないのです。
ここではコメントの先頭に4文字、末尾に3文字が使われます。どうしてこんなに長くする必要があるのでしょうか。
それよりひどいのがその一つ前の例で、これを知ったときには頭が混乱しました。/* */ という表記の決まりがあるときに、新しく、(* *)という表記を採用する必要がどこにあるのだろうか、という思いです。
でも、もう少し丁寧に考えを巡らすと、/* */ では、開始と終了の対比が明確ではないが、(* *)とすると、( )という対応が明快である、とも言えます。
このような多様な書き方に関して、言語仕様を決めた人は、それぞれの状況を斟酌して決めたのでしょうか。私には、既に上で触れたレンズ取り付けの回転方向のような、「先行のやり方とはとにかく違うやり方にする」、という意図が混じっているような気がしてなりません。
それは、「自分好みの」ですらなくて、単に先行するものとは違ったものにしたい、という思いだけと思ってしまいます。
プログラミング言語を設計する人にとって、コメントの書き方は、唯一、完全に自分の自由にできるものなので、「これだけは自分の勝手にさせてくれ」と考えたのだろうと想像します。
プログラミングの記法は、全体としての調和、効率、あるいは他と矛盾や重複がない、などと制約がある中で、コメントの書き方だけは自由にできますから。