[2017/5/28]
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二科会写真部茨城支部公募展(2017/5)での総評を読んで
偶然ですが、当市の図書館ギャラリーで開催されていた二科会写真部茨城支部公募展を見る機会がありました。
よく見かける写真クラブの展覧会とはちょっと趣が違っていて、新鮮で面白かったのですが、その総評・選評が貼り出されていて、その総評のある部分に強く惹かれました。
内容が「我が意を得たり」という印象だったのです。
総評のある部分とは以下のようなものでした。
なお、総評の文章について会場の展示担当者に聞くと、審査委員長の蜂須賀秀紀氏によるものとのこと。またその部分を掲載した印刷物はなく、内容を確認するならその部分を写真を撮ってもかまわない、という事でしたでした。従って引用元を書き残すことはできませんでした。
以下、引用です
(前略)応募作品の仕上げですが、茨城の場合はレタッチした作品より自然に仕上げたものが多く好感が持てるのですが、作品を創る上では昔の暗室技術程度のようなレタッチも競う上では必要になってくると思います。
二つのことが言われています。
(1)レタッチした作品より自然に仕上げたものが多く好感が持てる
(2)作品を創る上では昔の暗室技術程度のようなレタッチも競う上では必要になってくる
レタッチを積極的に効かせた作品よりは、レタッチしない、あるいはレタッチを控えめにするやり方が好感が持てる、ということに加えて、「昔の暗室技術程度のようなレタッチも必要」という事です。
ずいぶん慎重な書き方ですが、レタッチに関して、今回も含めて現在の状況が抑制的すぎる、という事だと思います。
デジタル写真の時代になって、レタッチがフィルム時代より遙かに自由にできるようになったので、その反動としてレタッチは抑制すべき、という考え方が強まったと思われます。
もう一つの要因は、フィルム写真がデジタル写真の普及によって商業的に苦境に追い込まれ、それに反発する動きとして、レタッチはダメ、という制限をつけることにより、デジタル写真の自由度を制限するようになってきた事もあると思います。事実、写真のコンクールの応募要領に、「レタッチは不可」と書かれたものをよく見かけます。
レタッチについて
レタッチについての私の考え方は、最初の写真展の作品をこのサイトに載せたときに、【レタッチの方針】という項目を挙げて長々と書いていますが、結論の部分を抜き出すと、こういうものです。
結論は以下です。
その考え方の根拠として、暗室時代の写真雑誌のコンテストの評を思い出して書いています。(まさに"長々と"書いているので引用は止めます。気になる方は上記のリンクをたどっていただきたく。)
レタッチをどこまで許すのか、ということについてあまり言及されることがないな、と日頃感じていた頃、ようやく目にすることができて、うれしい気持ちになりました