回想2001年写真展
ホームに戻る
2001年に、念願の写真展を個展として2回開きました。
1回目 A3ノビで60点(尾瀬、吾妻山群、那須岳、奥日光、南アルプス北岳)を展示
2回目 展示場を変え、上記の尾瀬の部から24点(*)を抽出して展示 ( (*) 会場の面積の制約から)
(2回目の展示作品は1回目と全く同じものなので、回数は1.5回と言うべきかもしれません。)
展示した写真は、1974~1977年に撮影したものです。
展示内容
以下では、その出展作品の制作プロセスについて解説しております。
とくに、レタッチの方針について、"くどくどと"書いてあります。
興味のない方は、上のリンクからお進みください。
【費用削減の方法=プリント=】
- すべて、自宅にてポジフィルムをスキャン入力から印刷までを行いました。
フィルムのスキャン⇒レタッチ⇒印刷
- パネル貼りは、普通の木枠のものは、コストがかかりすぎること、白枠が無駄に広いこと、縦横比が固定であること、などの問題があり、他の方法を探しました。ネットで、スチレンボードというものがあることを教えていただき、近くのホームセンターで購入して使いました。
【パネルの貼り方】
- 粘着面の剥離紙を端からはがしながらプリントしたものを貼る。
- 印刷結果の上下左右の各辺に定規をあてて、カッターナイフで切り取る。
(印刷した画像のサイズに合わせてボードを切り取る、という意味です)
このときは、全く余白のないものを作りました。
【費用削減の方法=展示会場=】
- 市内のただひとつのデパートのなかに、「市民コーナー」があり、無償で場所を借りることができました。実際に、絵画展、生花展などが開かれていました。季節ごとの催し、お中元、お歳暮、春先の学生服などの展示に使われる期間は借りることはできませんが、それがない時であれは無料で借りられた、というのはありがたいことでした。このデパートは今では閉店してしまいました。
- もう一つの展示会場は喫茶店兼ギャラリーで、ここは非常にお安い費用で使わせていただきました。場所は隣の隣の市にありました。そこも今では閉店してしまいましたね。
- 現在なら、市民ホールの展示会場とか、会議室を借りる、という方法があります。少し費用はかかります。
- 作品の展示は、写真サイズより少し大きな色紙を展示品の数だけ購入し、プリントを貼ったスチレンボードを両面テープで色紙に貼りつけ、色紙を、会場の壁面に設置されている板に画鋲でとめる、という安直な方法をとりました。何しろ低コストの写真展です。おかげで設営、撤収が簡単にできました。
【ディスプレイとプリンタの色調整】
- パソコンのディスプレイ画面の色と同じ色でプリントできることは期待できませんが、そうかといって、カラーマッチングの装置は高価で手が出ません。使っていたパソコンのモニタ出力機能では色調整ができました。そこで、代表的な写真を画面に表示させて、プリントし、プリント結果の色と同じ様な色が画面に出るように、モニタ出力機能の色調整を行いました。
- こうすることは、プリンタの特性に合わせてモニタ画面の色合いが決まることなので、通常のブラウザとか、ワープロ・ソフトとかを表示するとちょっと変な色になります。プリンタ対応とその他の表示対応の二つのモニタ設定を切り替えて使いました。
- 当時は、17インチのCRTモニタを使っていました。現在の私のパソコン環境は、モニタは液晶で、安物でそろえたため、画面を眺める角度で色合いがだいぶ違います。このような状態では、画面で色調整してもプリント結果はばらつきそうです。この点ではCRTモニタは見る角度の影響が少なくて助かりました。
【レタッチの方針】
スキャナで入力した画像はいわゆる "眠い"もので、そのままではほとんどが使えなさそうでした。レタッチが必要と思いました。
レタッチをしだすと、いろいろと加工できることはわかっていましたので、まず、どこまでレタッチを許すか、という点で方針を決めました。
結論は以下です。
- 色調は変えてよい(色補正については自由)
- 形を変えてはいけない(スキャン時に紛れ込んだごみをとるだけ)
結論に至った経緯を以下に書いておきます。
形については、レタッチ・ソフトの機能として、邪魔な物を消す、とか、何もない所に、別の場所のものをコピーする、などが書いてありますが、このようなことは一切不可とします。たまたま、ゴミが映ってしまった時であっても、それを消してはいけない、ということです。
さて、色調ですが、その方針を考えるにあたって参考にしたのは、モノクロ写真の時代に、写真雑誌の投稿のページでのプリントに関する審査員の評です。
代表的なものは以下のような内容でした。
- もっとコントラストの強い/弱い印画紙を使うべき
- もっと濃く/薄く焼くべき
- 顔をおおい焼きして明るくすべき
- 粒子を粗くしたら面白い
風景写真では、顔のおおい焼きは不要です。また、私の好みは、画像はできるだけ高精細がよいというものなので、粒子をあらすのも不要。では色調はどこまで変えてよいかこれが問題です。
極端な場合では、新緑を紅葉らしくする、などもできるかもしれません。色調を操作することは一切認めない、というものから、全く自由というものまで、さまざまでしょう。
私の思いは、次のようなことにあります。
- フィルムそのものが、色の再現性がそれほど高いものではないので、補正は必須である
- ネガフィルムをラボでプリントする場合、補正が加わる、その内容は高度の経験則に基づいている
- デジタル・カメラ内部でも、画像データを保存するまでの過程でさまざまな補正がなされている
- 撮影時では、モノクロフィルムでは黄色やオレンジのフィルタで、またカラー写真では偏光フィルタなどでヘイズをカットすることがよく行われている。
結論として、強調と補正のみを認める、ということにしました。具体的には以下のようなことです。
- 露出オーバー/アンダーの補正
- 青空の青み、朝焼け・夕焼けの赤みの強調
- 青空による青のカブリの補正
- コントラストの強調(ときには抑制も)
- 色バランスの補正
- 遠景の霞み感(ヘイズ)の低減
具体的には、作品ごとに、とても悩んだものから何も考える必要がなかったものまで、いろいろな状況がありますので、個別の作品の説明をご参考にしていだたきたいと思います。
[ページ先頭に戻る] [写真展回顧にすすむ]