小品いろいろ
[2018/4/1]
【17】キタキツネの巣立ち―親子関係
キタキツネのドキュメンタリー
キタキツネの生活ぶりをテレビのドキュメンタリー番組を見たことがありました。
ずいぶん昔です。高校生くらいかな、と思いますが、それでも50年以上前のことですから、昔話の世界ですが、今でもその一場面を憶えていて、ずいぶん大きな影響を受けたんだな、と感心します。
どこが印象的だったのかというと、子キツネの巣立ちの場面です。
子キツネの巣立ち
巣立ちというのがどういうものなのか。そこで描かれたこと(で今でも憶えていること)は次のようなものです。
・母ギツネは子ギツネに対して、餌の採り方、縄張りの守り方、巣穴の作り方など、いろいろな事を優しく教えてきた。
・母ギツネはある日突然に、子ギツネの巣立ちを決心する。
・母ギツネの態度が一変して、突然、子ギツネに対し、蹴ったり、かみついたりして、母ギツネの所から追い出す。
子ギツネにしてみれば、今まで優しい母ギツネが突然乱暴になり、自分を追い出しにかかったのであり、何のことだか分からず、でも追い出されているのは明らかだから、母ギツネの方を何度も振り返りながら、とぼとぼと離れていく、というものです。
この場面で、成長したら子は親のものを離れて、自分だけで生きていく、という自然の掟を強く感じたのでした。
人間は
人間はどうあるべきなのか、というと、やはり基本は同じだと思うのです。
独立して自分の居場所を確保し、家庭を築いて、子ができたら一生懸命に育てて、子が一人で生活できるようにして社会に送り出す。
子は、成長したら独立して、人に迷惑をかけずに自分の生活を確立する。これが子どもの本分です。
子どもはいつまでも親を頼ってはいけない。親は子にいつまでも関わってはいけない。
親子関係のいろいろなニュースを見ていて、昔テレビで見た、あのキタキツネの母は立派だった、と思うことが時々あります。
ついでに
テレビで見たのは(記憶にある範囲では)、母ギツネと子ギツネの関係でした。父ギツネはどういうわけか記憶が残っていません。
家系図の書き方で、父と母を横線で結んで、その横線の中央から下に縦線をおろし、そこに子の名前を並べる、というのが普通の書き方です。
もしかすると、縦線は母から下ろして子の名前を並べ、父は母と横線で結ぶ、という書き方の方が正確なのかな、とちょっと考えたりします。
相続ということを考えると、父、母の財産はどちらも子に引き継がれるのですから、今までの書き方でいいのですけどね。
もっとも、前に書いた記事で、気まぐれ日記 33 落窪物語の「券はありや」について というものがありました。
母親の財産が子にダイレクトに引き継がれ、父は"蚊帳の外"というものです。物語ですが、当時の現実を反映している内容だと思います。