考えてみると=まじめ編=原発


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【24】南相馬市の脱原発宣言 (2015/3/26)

福島県南相馬市が「脱原発都市宣言」を告示

原発事故に言及した都市宣言は、すでに書きましたが、多摩市や栃木市などで見られました

このたび(2015年3月25日)、福島県南相馬市が「脱原発都市宣言」を発表しました。「脱原発都市」とタイトルでうたっています。これは今までなかったことです(私の知る限り)。

多摩市は「多摩市非核平和都市宣言」で、原発に対する言及は、「自然の力に対する謙虚さを忘れ、人間の科学技術を過信していたこと。安全と言われていた原子力発電所から、ひとたび事故が起これば大量の放射性物質が拡散され、大事に育て築いてきたものが、たちまち奪われうる」ということを学び、その結果「原子力に代わる、人と環境に優しいエネルギーを大事にしていきます」とうたっています。

栃木市は、「栃木市非核平和都市宣言」で、「原子爆弾による世界で唯一の戦争被爆国」、「わが国では東日本大震災による原子力発電所の事故が発生し、再び放射性物質の被害と向き合うことになりました」、とうたいます。こちらでは、それ以上の原発への言及はありません。

これに対し、南相馬市は「脱原発都市宣言」というタイトルで、明確に「脱原発」を宣言しています。本文では、「東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い6万人を超える市民が避難を余儀なくされ、多くの市民が避難の中で命を落とした」、「家族をバラバラにされ、地域がバラバラになり、まちがバラバラにされ、多くの人が放射線への不安を抱いている」と問題点を指摘し、「このような原子力災害を二度と起こしてはならない」、「南相馬市は原子力エネルギーに依存しないまちづくりを進めることを決めた。(改行)南相馬市はここに世界に向けて脱原発のまちづくりを宣言する」としています。

このように、被害を具体的に述べているのは大胆です。さらには、「脱原発のまちづくりを宣言する」と明解に主張しています。これはすばらしいことです。

もうひとつ、私が高く評価したいのは、"東京電力福島第一原子力発電所の事故"という表現です。"福島第一原子力発電所"ではないのです。東京電力が"関東地方の電力を賄うため"に、"東北地方"に原発を作ったのです。ほとんどの場合、"福島第一原子力発電所"という言い方をしていますが、それは妥当とはいえません。「東京電力株式会社の事業所の一つ」なのですから。



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