小品いろいろ


[2017/9/14]

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【14】至れり尽くせりか、やりすぎか

日記

モレスキンノート横罫を日記として使っています。

書き出したきっかけは定年退職でした。

退職直後にはいろいろな手続が必要で、またその中には、まず申請をして、結果が返ってきたら別の手続をする、というようなものもあります。

もれがないようにし、さらに後で何の手続をいつしたか、ということが分かるようにしたい、ということで日記を書き始めたのです。

気合いが入っていたのでしょう。車で1時間ほどの所にあるショッピングセンターで、ネットなどで何かと評判の良いモレスキンと、何十年ぶりかの万年筆(これは安物)を買いました。

日記なんて小学校の夏休みの宿題の絵日記以来のような気がします。

それが現在まで7年以上、一日ももれなく(実は一日だけ抜けていたことが後で分かったのですが(*))、書き続けています。

(*) 現在は5冊目に入っています。1冊が終わり、次は新しい1冊という切れ目で1日分が漏れたのです。10月30日で終わって、次の1冊は11月1日になっています。たぶん10月31日には書かなくて、11月1日では10月分は終わっているな、と勘違いしたのでしょう。

東日本大震災の混乱の日々、10日間の手術・入院などでも、とりあえずメモして後で記入する、という方法で続けてきました。

東日本大震災の混乱の記録など、今となっては貴重です。

モレスキンノート横罫

最近気づいたのですが、今使っているモレスキンノート横罫の表紙を開くと、いわゆる"見返し遊び"のページには次のように印刷されています。

in case of loss, please return to:

空白行が4行

As a reward: $

つまり、「このノートが落ちていたら、下記まで返していただきたく。お礼に××円差し上げます」というものですね。

普通は、住所、氏名、あるいは電話番号などを書いておくと思うのですが、届けてもらった時のお礼の金額まで書くというのは、どうなんだろうと考えてしまいました。

金額の欄があるので、そこに具体的に金額を書かないと、返ってこない可能性が高くなるかな、とか、あまり低い額を書くとかえって来なくなりそうとか、逆に高い金額を書くと、ここには相当重要な情報がありそうだからこれをネタにゆすってやろうというような考えを助長することにならないだろうか、などと想像が膨らみます。

昔の図書室の記憶

モレスキンの件は、「至れり尽くせり」なのか、「やりすぎ」なのか、微妙なところがあります。

「至れり尽くせり」なのか、「やりすぎ」なのか、ということで一つ思い出したことがあります。

もう何10年も昔のことです。

あるところの図書室で本を借りる時の貸し出し伝票です。

それまでの経験では、貸し出しノートのようなものに、日付、名前、所属、本のタイトルなどを書く、というスタイルがほとんどだったのですが、そこでは1冊ごとに伝票に記入します。

初めて見るタイプなので中身を見てみました。

この伝票は4枚綴りのカーボン紙で、1枚目は上記のような事項を書きます。それでは残りの3枚は何なのか。

1枚めくってみると、借用期限切れの時に使う用紙で、宛名は自分として、「○○という本の借用期限が切れたので至急返却されたし」というような文面です。借用期限が切れると、この一枚が私の所に届くようです。督促状です。

さらに1枚めくると、宛名が課長の名前になり、「△△課の誰々が借用中の○○という本の借用期限が切れたので至急返却されたし」というものでした。

それでも返却されない時には課長に通知が行くのですね。

なるほどね、と思いました。

さらに1枚めくると、宛名が部長の名前になり、「□□部△△課の誰々が借用中の○○という本の借用期限が切れたので至急返却されたし」というものでした。

それでも返却されない時には部長に通知が行くのですね。

へーえ

すっかり感心してしまいました。なんてよくできているのだろうと。

本の借用期限を守らない人がとても多かったのでしょうか。あるいは図書室のある管理者が借用期限切れに異様に神経質だったためにこのようなやり方になったのでしょうか。

真相は分かりません。


いずれのケースも「至れり尽くせり」でしょうか、「やりすぎ」なのでしょうか。難しい判断です。



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